コンクリートの乾燥と養生期間はどれくらい?
2021/11/01
道路やダム、トンネルから私たちの住居まで、様々な建築物に使用されているコンクリート。
コンクリートは、高い強度があり、施工も容易な為、建築作業には欠かすことが出来ない構造材料です。
今回は、そんなコンクリートの乾燥養生期間について解説します。
コンクリートとは
コンクリートとは、セメント、石灰、石膏、アスファルト、硫黄、など、複数の物質が混合された、複合材料のことです。
鉄骨を埋め込んだ物を「鉄骨鉄筋コンクリート」、鉄骨ではなく鋼管を埋め込んだ物を「鉄骨コンクリート」、合成樹脂や鉄の繊維を混合した「繊維補強コンクリート」など、色々な種類があります。
素材により強度が違うため、建築用途に合わせて使い分けられます。
コンクリートは乾燥に注意する
コンクリートは、固まる前の生の状態では乾燥に弱い物質です。
コンクリートは「乾燥収縮」という性質を持っています。
よく路面等で、コンクリートが場所によって「ひび割れ」ているのを見たことはありませんか?
乾燥収縮を起こすと、コンクリートに「ひずみ」が生じます。
この「ひずみ」は、コンクリート体積に対する表面積の大きさに関係しており、コンクリートが薄く露出面積が大きい程「ひび割れ」も大きくなります。
「ひび割れ」を起こすと、コンクリートの強度や耐久性が低下してしまいます。
コンクリートを、安全な品質に保つため、コンクリートの養生を行います。
前述の通り、生コンクリートは乾燥など、外部の刺激に弱い材料です。
固まる前の生コンクリートを、適切な湿潤状態に保つことで「乾燥収縮」を避け「ひび割れ」を防ぐことが出来ます。
安全で高品質なコンクリートを作る為には、コンクリートの養生が必要です。
コンクリートの養生期間は?
コンクリートは、セメントと水が「水和反応」と呼ばれる化学反応を起こす事で、固まる仕組みになっています。
水和反応には、適度な水が必要です。
湿潤状態により、養生期間が変ります。
一般的に日本建築学会 が規定する養生期間は
・普通ポルトランドセメント 7日以上
・中庸熱および低熱ポルトランドセメント 10日以上
とされています。
一般的に使用される、早強ポルトランドセメントでは、5日間の養成が必要になります。
養成期間中は、養生マットを使用して、コンクリートを直射日光や乾燥から保護します。
まとめ
安全な建築物を建設するには、適切な品質のコンクリートが必要不可欠です。
コンクリートを養生することで、「乾燥収縮」での「ひび割れ」を防ぎ、強度と耐久力のあるコンクリートが生まれます。
コンクリート養生は重要な工程ですので、期間も含め覚えておきましょう。